MassHunter 4.2の新機能で、クロマトデータ解析メソッドの作成とキャリブレーションがより簡単になりました。
最初に、一連のキャリブレーション標準を測定し、分解能、感度、ピーク形状、ベースラインなどが正しいことを確かめる必要があります。一般に、この確認は視覚的にできます。
以前測定したサンプルのバッチを使っている場合は、オフラインデータ解析を用いてバッチを開くことができます。[ホーム] タブの [バッチ] グループから [開く] をクリックし、必要なバッチをリストから選択します。バッチ内のサンプルのリストは、バッチテーブルに表示されます。
データ解析内でキャリブレーション標準のサンプルタイプが 「Calstd」 に指定されていることを確認します。測定時に、キャリブレーション標準のサンプルタイプが「Sample」として測定されていた場合には、バッチ一覧内のサンプルタイプを変更します。クロマト解析に 「Calblk」を含める必要はありません。一番小さい濃度のキャリブレーション標準は、すべての分析対象物を識別可能なピークを含んでいなければなりません。
自動的に [メソッドエディタ] ウィンドウに移動します。
次に示すように、選択したキャリブレーション標準データファイルに対するトータルイオンクロマトグラム(TIC)が表示されます。自分の測定した中に複数の元素あるいは同位体と内標準が含まれていると、すべての信号が合成されたものを見ることになるため、ベースラインは乱れ、ピークが想定よりも低くなる場合があります。
たとえば、ひ素化合物であれば、質量数75を選択します。
選択した質量数の積分された抽出イオンクロマトグラム(EIC)が表示されます。
メソッドに化合物、または異なる元素種が含まれている場合、TIC/EICメニューで<すべて>を選択し、測定したすべてのEICとTICを同時に表示できます。これにより、異なる質量数から選択したすべての分析対象物のピークをピークリストテーブルにグラフィックに追加することができます。EICトレースが複数ある場合は、すべてを明確に見るために、必要に応じてクロマトグラムウィンドウを拡大してください。以下の例では、分析対象物はm/z = 75のAsのみです。ただし、ピークにClがあるため、ArClからの干渉の存在を示すm/z 35が含まれています。
マニュアル積分したピークは赤く表示されます。
マニュアル積分前とマニュアル積分後を示します。
積分されたピークは保持時間の順にピークリストに追加されます。
一方、「ピークモード追加」ツール を使用して個別のピークを各EICからピークテーブルに追加できます。
この時点で、ピークテーブルを編集して化合物名、分析対象物/内標準の指定、ターゲット/クオリファイアイオンを変更することができます。自動インテグレーションプロセスがピークを正しく積分しない場合、そのノイズピークの [スムージング] 列を選択し、[ガウス] をオンにします。
このウィンドウは、ピークの開始と終了を見やすくするために幅広くなっていますが、複数のピークを含めるほどではありません。必要であれば、ピークテーブルの [積分始点] と [積分終点] 値を変更して積分ウィンドウを調整します。左下のグラフィックは、ピーク1に対して正しく設定された積分ウィンドウを示しています。右のグラフィックは、幅が広すぎるピーク2に対する積分ウィンドウです。
スパイクサンプルあるいはQCサンプルがある場合とない場合がありますが、ない場合にはその列は空白になります。さまざまなQCサンプル情報を完成させることに関する詳細な情報は、トレーニングモジュールの「Understanding QC Action on Failure Functions」 を参照してください。
上部のバッチテーブルでバッチ全体に対する結果が表示され、下部には各サンプルの結果がグラフィカルに表示されます。個々のサンプルやピークはそれをクリックすることによりテーブル上で選択されます。クロマトグラムペインには、上部に実行全体に対するEICが、下部に選択された分析対象物のピークが示されます。ターゲットイオンのベースライン(下部クロマトグラムトレース)が、積分が正しくないことを示している場合には、マニュアル積分ツール
を使用して積分を修正してください。[バッチの処理] アイコンが
になります。 このアイコンをクリックすると、マニュアル積分したピークを含むバッチが再定量されます。