用語集

100%

LA分析において使用される、定量結果の補正の方法です。マトリクス成分の濃度が100%、つまり1,000,000ppmになるように結果に係数を掛けることで補正を行います。たとえば、ほぼ100%の金属Aと微量成分B、Cから成るサンプルを測定して、以下の結果を得たとします。

補正前

A: 1,230,000 ppm

B: 55.0 ppm

C: 37.0 ppm

マトリクス成分Aが1,000,000ppmになるように全体に1/1.23を掛けます。

補正後

A: 1,230,000 x (1/1.23)ppm = 1,000,000 ppm

B: 55.0ppm x (1/1.23) ppm = 44.7 ppm

C: 37.0ppm x (1/1.23)ppm = 30.1 ppm

2 価イオン

金属イオン)M+)に対してその金属の2価イオン)M2+)のことです。

2 価イオン比

金属イオン)M+)とその金属の2価イオン)M2+)とのカウントの比です)M2+)/)M+)。

ATM コンフィグレーション

オプションソフトウェアの「ユーザーアクセスコントロールパック」を利用する場合に、各コマンドのアクセス制限を設定する機能です。

CIC

Compound Independent Calibrationの略です。クロマトグラムの解析において、この機能を使うことにより、ある化合物の検量線を別の化合物を定量分析するために使用することができます。これにより、標準液に含めていない化合物が未知試料中に検出された場合でもそれを定量分析することが可能になります。

CPS

Counts per Secondの略です。1秒あたりのカウントを意味します。カウント/積分時間で計算されます。

CRE

Common Reporting Engineの略です。MassHunter 4.1以降導入された新しいレポートテンプレートとレポートの方式です。それより前のMassHunterで使われていた、Excelを使用するレポートとは互換性がありません。

DL

Detection Limitの略で各元素ごとの装置の検出限界を意味します。検量線の式に応じてDLの計算式は異なります。

EIC

Extacted Ion Chartの略です。イオンチャートの一種で、時間に対して特定の質量数のカウントをプロットしたグラフです。

EM

Electron Multiplierの略で、ICP-MSの検出器のことです。

EMF

Early Maintenance Feedbackの略です。たとえばロータリーポンプのオイルの交換等、装置のメンテナンス時期をお知らせする機能です。

ESM

Enhanced Stability Modeの略です。マトリクスによる経時ドリフトを抑制するための機能です。引き出し電極1、引き出し電極2、オメガバイアス、オメガレンズの4つのイオンレンズの電圧に関し、ソフトウェアはドリフトが起こりにくい組み合わせを自動的に選び出します。ESM使用中はこれらのイオンレンズの電圧は自動設定された値に固定され、変更できません。

HMI

High Matrix Introductionの略です。プラズマモードのひとつで、希釈ガスを使用してスプレーチャンバからプラズマに導入されるサンプルの量を制限するモードです。それにより、高いマトリクス濃度のサンプルを測定することが可能になります。

P/A ファクタ

検出器の動作モードにはパルスモード、アナログモードのふたつがあります。パルスモードにおいては検出器は検出器に導入されたイオンの数(カウント)を返します。アナログモードにおいては検出器はカウントではなく、カウントに比例した電流の読み取り値を返します。それをカウントに換算するための係数がP/Aファクタです。

QC コンフィグレーション

精度管理ソフトウェアにおいて、精度管理用のサンプルタイプを作成したり、そのサンプルタイプに対して精度管理用の比較式を定義するためのウィンドウです。

QC レポート

QCチェック用サンプルの評価結果が記載されたレポートです。

S/N 比

クロマトグラム解析において算出される、バックグラウンドとシグナルの比です。

TIC

Total Ion Chartの略です。イオンチャートの一種で、時間に対して測定されたすべての質量数のカウントの和をプロットしたグラフです。

VIS

Virtual Internal Standardの略です。ドリフトに質量依存性のある場合、内標準物質は分析対象元素と近い質量数のものを選ぶ必要があります。ところが内標準物質として適した元素は限られています。そのため、分析対象元素と近い質量数のものが必ずしも選べない場合があります。そこで、測定された内標準物質をもとに補間を行い、分析対象元素に相当する質量数の仮想的な内標準物質のカウントを算出し、これを補正に用いることができます。質量依存性のあるドリフトが起こる場合、この機能によって内標準補正の正確さが向上します。

アウトライア

異常が疑われるデータに、バッチテーブル上で色をつけて表示する機能です。詳細は定量アウトライアおよび半定量アウトライアの項目をみて下さい。

アプリケーションメソッド

「一般メソッド」の項目を参照してください。

信号安定待ち

ペリポンプパラメータのひとつで、測定開始前にサンプル導入系をサンプルで置換してから実際に測定を開始するまでの安定待ち時間の長さを規定するものです。

安定性グラフ

シーケンス測定中のQCサンプルのCPSおよび内標準のCPSの経時変化を表示したグラフです。これにより、連続測定中に装置の状態に異常がないかをチェックすることができます。

イオンチャート

横軸に時間、縦軸にその時間におけるICP-MSの信号強度(カウント)をプロットしたチャートで、主にLC、GC等のクロマトグラムを取り扱うために使われます。縦軸に特定の質量数のカウントをプロットしたもの(EIC)と、測定されたすべての質量数のカウントの和をプロットしたもの(TIC)の2種類があります。

イオンデータベース

元素や分子イオンの同位体存在比を表示するウィンドウです。選択した元素や分子イオンの同位体存在比を元にマススペクトル上に期待される同位体存在比のテンプレートを描くこともできます。

一般メソッド

プリセットメソッドの分類のひとつです。特定のアプリケーションのために作られたものをアプリケーションメソッドと呼びます。そうではないものを一般メソッドと呼びます。

インテリジェントリンス

測定終了後の自動洗浄において、洗浄中に信号強度をモニターし、予め指定した閾値以下になるまで洗浄を続ける機能です。これにより、サンプル導入系中に残っている前のサンプルが次のサンプルに与える影響を常に一定以下に保てます。

エラーアクション

あらかじめ設定してある許容範囲から、測定値が外れた場合に実行する処理です。
メモ: 画面上の用語表記「AOF」および「フェイル時のアクション」は、MassHunter 4.4で「エラーアクション」に変更されました。

オートチューン

装置の感度が高くなるようイオンレンズの電圧を最適化する自動調整です。

解析ファイル

バッチ結果」の項目を参照してください。

カウント

検出器が積分時間内に検出した、特定の元素のイオンの数です。サンプル中のその元素の濃度に比例します。

カスタムチューン

チューン方法のひとつです。オートチューンと同様にイオンレンズパラメータを自動で最適化します。カスタムチューンの場合は自動で最適化後その結果に対してさらにユーザーが変更を加えることができます。

キュー

MassHunterが処理すべき作業のリストです。たとえば、ユーザーがデータ採取、スタートアップ実行等の処理をMassHunterソフトウェアに命じると、その作業(タスク)が、キューと呼ばれるリストに追加され、先に追加されたものから順に処理されていくという動作をします。

クイックスキャン

通常のデータ採取に先立って、短い積分時間でフルスペクトルを採取する機能です。このクイックスキャンによって取られたデータに対して半定量分析を行うことが可能です。これにより、通常のデータ採取で測定されていない元素に関してもおおよその濃度を知ることができます。

クイックバッチレポート

バッチ全体のすべてのサンプルの定量結果をひとつのレポートとして出力する機能です。

グローバルチューン

グローバルチューンを有効にすると、システムで唯一のチューンパラメータを保持するようになります。スタートアップやオートチューンはそのチューンパラメータを初期値として使用し、また最適化された値をそのチューンパラメータに反映します。データ採取も常にそのチューンパラメータを用いて行われます。

クロマトデータ解析

オプションソフトウェアのひとつで、これを有効にすることで、LC、GC等のクロマトグラムデータのピーク検出、定量計算を行うことができます。

サブリスト

サンプルテーブルの設定のひとつで、測定元素のうちの一部だけを含んだリストのことです。特定のサンプルだけは測定元素のうちの一部だけしか測定しないようにしたい場合に使用します。特定のサンプルにサブリストを割り当てることにより、サブリストにあるものだけを測定するように設定することが可能です。

サンプリング周期

TRAモードのデータ採取においては、指定した測定時間に達するまで繰り返して複数のマススペクトルを測定します。そのうちの一つひとつのマススペクトルの測定にかかる時間をサンプリング周期と呼びます。

サンプルタイプ

検量線標準液、バックグラウンド、QCサンプル等、各サンプルの役割を規定するものです。たとえば、あるサンプルのサンプルタイプを「Bkgnd」に設定することにより、そのサンプルはバックグラウンドとして扱われるようになり、バックグラウンド減算に使用されるようになります。

サンプル置換

ペリポンプパラメータのひとつで、測定終了前にサンプル導入系をサンプルで置換するための時間の長さを指定するものです。

サンプル導入

AVSパラメータのひとつで、測定終了前にAVSのサンプルループをサンプルで満たすために時間の長さを指定するものです。

スタートアップ

プラズマ点火後に、装置の調整や性能確認のためのデータ採取を自動で行う機能です。

スタンバイモード

このモードでは、プラズマは消えていますが、機器には通電され、真空ポンプは稼働しています。機器を使用していないときは、この状態にします。

スペクトル分析データ

ICP-MSにはスペクトル、TRAのふたつの測定モードがあります。そのうちでスペクトルモードで測定されたデータをスペクトル分析データと呼びます。

精度管理ソフトウェア

米国のEPA6020等、公定法にの要請に準じた精度管理を自動で行うためのオプションソフトウェアです。

セルガスの掃引

チューン画面の機能のひとつです。セルガスの流量を変化させながらブランクとチューニング液の両方を測定し、グラフ化します。得られたデータを元にユーザーは最適なセルガスの流量を決定することができます。

洗浄1~3

ペリポンプパラメータのひとつです。測定終了後、リンスポートでの洗浄に加えて希硝酸等で追加洗浄する場合に洗浄時間、ポンプ速度、バイアル位置を入力します。最大3つまで設定できます。

チェックサンプル

装置が正常に動作しているか確認するために、通常のサンプルの合間に測定されるブランクサンプルや既知濃度のサンプルです。通常は、シーケンスの機能を使用して一定数の未知サンプルを測定するごとにチェックサンプルを自動で測定するように設定されます。

チューンチェック

バッチのデータ採取の開始前、あるいは採取中に、装置の性能確認のためにチューンレポートを出力する機能です。[設定] ダイアログボックスの [オプション] カテゴリで、[バッチのチューンチェック機能] にチェックを入れることにより使用可能になります。

チューンパラメータ

測定時の装置の状態を規定する各種のパラメータの一群です。チューンパラメータには、各種ガスの流量、プラズマにかかる電力、ペリポンプの回転数、各種イオンレンズや検出器にかかる電圧、Qポールのパラメータ等が含まれます。

チューンモード

ICP-MSはひとつのサンプルに対して複数の測定条件を切り替えて測定することができます。そのうちの個々の測定条件のことをチューンモードと呼びます。

最大チューンモード数は、7800/7900/8900の場合は16、7700/8800の場合は8です。

チューンレポート

感度、バックグラウンド、ピーク形状等、バッチに含まれる各チューンモードのチューニングの状態を確認するためのレポートです。

チューン方法の設定

チューンの方法を選択するダイアログボックスです。オートチューン、カスタムチューン、シグナルモニタのうちから選択することができます。

データ解析メソッド

分析対象元素、内標元素、検量線の各レベルの濃度、アウトライア設定、QCパラメータ等、データ解析に関する諸条件を指定するパラメータです。

データバッチ

測定メソッド、解析メソッド、チューンパラメータ、サンプルリスト、データファイル等、一連の測定に関わる全てのものをひとつにまとめたフォルダです。データバッチには*.b という拡張子が付けられます。

データをAIA形式に変換

TRAデータをAIA形式に変換する機能です。元のデータはそのまま保持されます。

データをLC/MSD、GC/MS ChemStationフォーマットに変換

TRAデータをLC/MSD、GC/MS ChemStationフォーマットに変換する機能です。元のデータはそのまま保持されます。

デッドタイム

検出器のデットタイム(不感時間)のことです。パルスモード測定において、一定の時間よりも短い間隔で複数のイオンが検出器に到達すると、検出器は初めのひとつ以外を検出できません。そのために数え落しが発生します。このデットタイムを測定し、装置に設定することにより、装置はこの数え落しを自動的に補正します。

デッドタイムキャリブレーション

検出器のデットタイムを測定し、それを装置のシステムパラメータに設定するための自動調整機能です。

同位体希釈分析

サンプルに既知の量の同位体を添加(スパイク)し、その同位体比の測定結果を元にサンプルに含まれていたその成分の濃度を計算する方法です。同位体比の測定は高精度で行うことが可能なため、同位体希釈分析では通常の定量分析よりも高い精度で濃度を求めることができます。

同位体比分析

サンプル中の元素の同位体比を求める分析方法です。

ネブライザガス

ネブライザガスは、ネブライザに導入するアルゴンガスです。サンプルはネブライザ内で細かい霧状になり、ネブライザガスと共にICP-MS内に導入されます。
メモ: 画面上の用語表記「キャリアガス」は、MassHunter 4.4で「ネブライザガス」に変更されました。

ノイズアルゴリズム

クロマトグラムのS/N比の計算において、ノイズを計算する方法です。次のふたつがあります。[RMS]:ノイズの実効値 、[ピーク - ピーク]:最大値と最低値との差 。

バッチ共通パラメータ

チューンパラメータの一部を「バッチ共通パラメータ」に設定することができます。ここで選択されたパラメータはすべてのチューンモード間で共通として扱われ、あるチューンモードにおいてそのパラメータの値が変更されると、その変更がすべてのチューンモードに反映されるようになります。

バッチ結果

ICP-MSデータ解析ソフトウェアにおいて、データ解析メソッドとデータ解析結果の両方の情報を保存するためのファイルです。

パフォーマンスレポート

感度、バックグラウンド、ピーク形状、およびハードウェアの各種パラメータ等、機器の基本性能を確認/記録するためのレポートです。

半定量係数

半定量分析に使用される係数で、元素の濃度あたりのおおよそのCPSです。ノーガスモード用、Heモード用それぞれのデフォルト値があります。

標準添加法

サンプルに既知濃度の標準溶液を添加して、検量線を作成する方法です。この方法ではサンプルに直接標準溶液を添加するので、マトリックスに由来する増減感を完全に補正することが可能です。

プラズマモード

プリセットプラズマを使用する場合、プラズマ条件は「低マトリックス」、「一般用」等の予め定義された選択肢から選ぶことにより指定されます。この選択肢をプラズマモードと呼びます。

ブランク濃度減算

未知サンプルの濃度からブランクサンプルの濃度を差し引いて補正することです。ソフトウェア上では、データファイルのサンプルタイプをブランクサンプル用のもの(FQBlkまたSQBlk)に指定することによりそのデータファイルがブランクサンプルとして取り扱われ、未知サンプルの濃度から減算されるようになります。

プリセットメソッド

代表的な測定条件やアプリケーション用の測定パラメータが予め定義されたファイルです。一般的にはプリセットメソッドを出発点にしてバッチを作成し、必要に応じパラメータを編集するという使用方法が便利です。

プレランモニタ

測定開始前にICP-MSからの信号をモニターし、ソフトウェア上にグラフで表示する機能です。これによりユーザーは装置にサンプルが導入され、信号が安定していることをグラフで確認してから手動で測定開始を行うことができます。

プローブ洗浄1~3

ペリポンプパラメータのひとつです。測定終了後、洗浄1~3の後でリンスポートでも洗浄するように設定できます。その時間と、その際のペリポンプ回転数を指定します。最大3つまで設定できます。

プローブ洗浄

ペリポンプパラメータのひとつで、測定終了後にオートサンプラのリンスポートで洗浄を行う時間の長さを指定するものです。

マスバイアス補正

同位体比を測定する際、比を計算するふたつの質量数の間の感度の差により誤差が生じる場合があります。既知の同位体比のサンプルを測定することにより、これを補正することができます。これをマスバイアス補正と呼びます。

メーター

各種真空系の圧力やガス流量をソフトウェア上にリアルタイムで表示する機能です。[表示] タブの [メーター] グループから [メーター] をクリックし、最大5 つの項目を選択可能です。

メンテナンスログ

ロータリーポンプのオイル交換や、サンプリングコーンの洗浄等の装置のメンテナンスの記録を残すための機能です。

ユーザーチューン

通常、スタートアップは「標準チューン」と呼ばれるチューンパラメータで実行されます。これはシステムで保持され、ユーザーは自由に編集できない仕様です。それに対し、スタートアップ用に「ユーザーチューン」を選択すると、指定した任意のチューンパラメータでスタートアップを実行できます。これにより、有機溶媒やGCなど、標準チューンと異なる測定条件においても、スタートアップを利用することができるようになります。

猶予時間

オプションソフトウェアの「ユーザーアクセスコントロールパック」を利用すると、ユーザーが操作(たとえば管理者が取られたデータファイルに対し承認すること)を行う度にユーザーID/パスワードの入力や変更理由の入力を要求するように設定できます。ところが、操作のたびに入力を要求されると操作が煩雑になる場合があります。たとえば管理者が承認しようとすると一つひとつのサンプル毎に入力を要求されてしまうような場合です。そこで、一度これらを入力したら、その後一定時間内であれば再度入力を要求しないように設定できます。これが猶予時間です。

ラボQC

QCチェック用サンプルの測定結果を、複数のバッチに渡って一つのグラフで表示する機能です。これにより、装置の長期的な状態変化を監視できます。

ロードオプション

スタートアップに「標準チューン」を使用するか「ユーザーチューン」を使用するかの選択です。

ワークリストアクション

データ解析タスクにおいて、各サンプルの測定・解析終了後にスクリプトと呼ばれるプログラムを実行するよう設定できます。これにより、たとえば各サンプル毎にLIMS用のテキストを出力する等、追加的な動作を行うことが可能です。

画面ロック時間

オプションソフトウェアの「ユーザーアクセスコントロールパック」を利用する場合、一定時間MassHunterを操作しなかったら画面をロックするように設定することができます。ロックするまでの時間をこのパラメータで設定します。

解析モード

ICP-MSデータ解析ソフトウェアにおいて、データ解析の方式の選択肢です。スペクトル、時間分析、クロマトグラム(オプション)があります。

監査証跡ファイル

MassHunter上でのユーザーの操作が自動的に記録されるファイルです。21CFR part11 等の法規制で要請される、監査証跡を残すために使用されます。

機器コントロール

MassHunterは大きく分けて機器コントロール、データ解析のふたつの部分から成り立っています。機器コントロールは装置と通信して装置を操作したり、データを採取する部分です。

機器ステータス

ICP-MSの装置の状態には次の3種類のモードがあり、MassHunter Workstationの [ステータスビューア] ダイアログボックスやステータスバーや機器ステータスペインで確認できます。 分析モード、スタンバイモード、停止モード。詳細はそれぞれの項目を見て下さい。

繰り返し

測定モードがスペクトルの場合、測定パラメータとして「繰り返し」を設定することができます。1~100の値を指定できます。指定した回数繰り返してマススペクトルが取得され、それを平均してデータ解析が行われます。

検量線

既知濃度のサンプルを測定し、濃度に対してCPS(クロマトグラム分析の場合は積分結果)をプロットしたグラフです。検量線の回帰式を使用して、未知試料のCPSを濃度に換算することにより、未知試料の濃度を算出することができます。

検量線R

検量線の各データ点の間の相関係数です。

検量線レベル

検量線は通常は複数の既知濃度のサンプルを測定して作成されます。それらの濃度の一つひとつをレベルと呼びます。たとえばレベル1が0ppb、レベル2が5ppb、レベル3が10ppbのように設定します。

酸化物イオン

金属イオン(M+)に対してその金属の酸化物イオン(MO+)のことです。

酸化物イオン比

金属イオン(M+)とその金属の酸化物イオン(MO+)とのカウントの比です(MO+)/(M+)。一般に、この値が低くなるプラズマ条件ほどロバスト(サンプルがプラズマ中で効率的に分解され、マトリクスに強い)とされています。

時間分析

TRAモードの別称です。

時間分析データ

ICP-MSにはスペクトル、TRAのふたつの測定モードがあります。そのうちでTRAモードで測定されたデータを時間分析データと呼びます。

周期ブロック

サンプルテーブルの機能のひとつです。一定サンプル数毎、あるいは一定時間毎に特定のサンプルを測定するように設定することができます。通常は、連続測定中の装置の性能確認のためにブランクや既知濃度のサンプルを定期的に測定する目的で使用します。

重み付け

検量線の各データ点を等価に扱わず予め決められた規則に応じて重み付けをして回帰式を計算する機能です。たとえば1/xや1/yに応じて重みづけすることで、原点付近のデータ点に重きがおかれます。それにより回帰式が原点付近を大きく外れることを抑制します。

先行リンス

サンプル測定後の洗浄時間を短縮するため、測定終了に先立って洗浄を開始する機能です。先行リンスが動作するとオートサンプラは測定終了よりも前にリンスポートや洗浄バイアルに移動します。サンプル導入系にはデッドボリュームがあるため、洗浄液がネブライザに達するには時間がかかります。サンプル導入系を洗浄液で置換しつつ、測定はサンプル導入系のなかに残ったサンプルを使用して継続されます。測定終了にどれくらい先立って洗浄を開始するかは「先行時間」というパラメータで指定できます。先行時間は置換にかかる時間よりも短く設定する必要があります。

先行時間

先行リンスにおいて、測定終了よりもどれくらい早くリンスを開始するかを指定するパラメータです。

測定パラメータ

測定質量数、積分時間、ペリポンプパラメータ、チューンパラメータ等、データ採取に関する諸条件を指定するパラメータです。

測定禁止質量数

検出器に過大な数のイオンが導入されると、検出器の寿命を短くする恐れがあります。そこで、過大な信号強度が予想される質量数を測定禁止にして、誤って測定されることがないように設定できます。これを測定禁止質量数と呼びます。

第 3 セルガス

頻繁に使われるセルガスは水素およびヘリウムですが、ハードウェアオプションを追加することにより、このふたつに加えて別の種類のセルガスを導入するための3つめのセルガスラインを設置できます。これを第 3 セルガスと呼びます。

短絡テスト(ショートチェック)

イオンレンズの配線に短絡が無いかをチェックするための自動テストです。イオンレンズに電圧をかけ、意図した通りの電圧がかかっているかをチェックすることにより行われます。

停止モード

機器には通電されていますが、真空ポンプは停止した状態です(プラズマも消灯)。緊急時以外は、この状態から機器の電源を切ります。

定量

既知濃度の標準液サンプルを測定して検量線を作成し、その検量線をもとに未知試料中の分析対象物の濃度を算出する方法です。

定量アウトライア

CPSのRSDが大きい、得られた濃度が検量線のレンジを超えている等、定量分析の結果に関して懸念がある場合、バッチテーブル上でそのセルに色をつけて警告する機能です。

同位体分析

元素の同位体に関する分析です。MassHunterソフトウェアは同位体比と同位体希釈のふたつの分析方法を提供しています。

内標準元素

内標準補正の基準に使用される元素です。

内標準質量数

内標準補正の基準に使用される元素の質量数です。

内標準補正

導入系に常に一定濃度の金属を導入し続け、それを基準にして装置の感度の経時変化を補正する手法です。

半定量

濃度あたりのCPSは元素によっておおよそ決まっています。その値(半定量係数)を用いてCPSから濃度を求める計算方法を半定量分析といいます。定量分析ほど正確な濃度は得られませんが、標準液に無い元素に関しても簡便におおよその濃度が計算できます。

半定量アウトライア

半定量分析において、たとえば(1)元素の各同位体のCPSの比が天然存在比と一致しない。(2)分析対象の質量数よりも16u小さいところに過大なピークがある。というふたつの特徴が、ある元素に同時に見られた場合、その過大なピークの酸化物イオンが分析対象に干渉したことにより誤った結果が得られているという疑いがあります。このように、半定量分析の結果に関して懸念がある場合、バッチテーブル上でそのセルに色をつけて警告する機能です。

半定量係数曲線

原子番号に対して半定量係数をプロットしたグラフです。半定量係数補正が実行された場合は、補正前のもの(青色)に加えて補正後のもの(緑色)が表示されます。

半定量係数補正

既知濃度の標準液を使用して半定量係数曲線を補正することです。ソフトウェア上では、データファイルのサンプルタイプを半定量標準液用のもの(SQStd)に指定することによりそのデータファイルが補正に使われるようになります。

分析モード

プラズマが点火している状態です。このモードで測定を行います。

補正式

測定対象のイオンに、同じ質量数の別のイオンが重なって検出されてしまっている場合に、それを補正して本来の信号強度を求めるための計算式です。

リークチェック

セルガスラインに漏れがないことを確認するための自動テスト機能です。