MassHunterでは、繰り返しデータごとに強度比を求め、それを平均したものを最終的に強度比として使用しています。
検量線テーブルで内標準が選択された場合、サンプルデータの求める元素のカウントは、サンプルデータの内標準濃度とそのカウントの比で割られ、y を算出します。検量線における最初のレベルの濃度が、サンプルデータの内標準濃度に選ばれます。
y=ys/(yi/xi)(xi=0 の時、y=ys)
ここで
xi: 検量線における最初のレベルの内標準元素の濃度
yi: 内標準元素のカウント
ys: 測定元素のカウント
この値 y は、「濃度の計算」において使用されます。
サンプルデータの測定元素の濃度は次のように計算されます。
ここでは、
x: 測定元素の濃度
y:測定元素の測定カウント
a: 検量線の係数 “a”
b: 検量線の係数 “b”
c: 検量線の係数 “c”
ここで
blk: ブランクのカウント
直線回帰が使用されるとき、標準偏差(SD)は次のように計算されます。
n: 繰り返し回数
xi: 濃度
DLとは、3sBに相当する濃度です。
検量線の式に応じてDLの計算式は異なります。
y=ax+bなどの一次式を利用している場合は、
DL=3sB/a
ここで、3sB:濃度 0 のレベルのカウントの標準偏差の 3 倍
a :y=ax+b の a
単位は検量線で設定されているもののまま、変更しない
最新の検量線と現在のサンプルデータで使用されるすべての内標準の変更率が計算されます。現在のデータの内標準の濃度は、既存の内標準補正と同様に、検量線のレベル 1 の値が使用されます。「一次式」または「二次式」の場合、すべての内標準の変更率から 1 つの補正式を作成します。「区間補間」の場合、2 つの内標準ごとに補正式を作成します。
ここで
Cps_ci, Conc_ci : 検量線を最後に更新したデータの、内標準のCPSと濃度
Cps_si, Conc_si : 現在のサンプルデータの内標準のCPSと濃度(濃度は検量線レベル 1 に設定されている値を使用)
区間補間(Y = aX + b 隣接する 2 つの内標準を使用。デフォルト)
一次式(Y = aX + b すべての内標準を使用)
ここで
Mi : 内標準の質量数
n : 内標準の数(「区間補間」の場合は 2 つ)
Ri : 標準液データとサンプルデータ間の内標準のCPSの変更率
Ma : 定量する元素の質量数
二次式(Y = aX2+bX+c すべての内標準を使用)
ここで
Mi : 内標準の質量数
n : 内標準の数
Ri : 標準液データとサンプル間の内標準のCPSの変更率
Ma : 定量する元素の質量数
Cps_na = Cps_sa×Ra
ここで
Cps_na : 定量を行う元素の、補正後のCPS
Cps_sa : 定量を行う元素のCPS
Xによって干渉された信号は、次のように計算されます。
ここで、A(µ)はµの存在値、M(µ)はµの信号、miはXのM ++のm / zです。µは干渉元素の同位体です。
係数
は以下のように定義されます。
そして、
は、次のように計算されます。
干渉信号 は、次のように計算されます。
各パラメータは下表の通りです。:
75 Asの補正 |
78 Seの補正 |
66 Znの補正 |
||||||
X |
M++ |
存在比 |
X |
M++ |
存在比 |
X |
M++ |
存在比 |
Nd |
m3: 75 |
5.6 |
Gd |
m3: 78 |
20.47 |
Ba |
m3: 66 |
0.1 |
m2: 72.5 |
8.3 |
m2: 77.5 |
14.8 |
m2: 67.5 |
6.59 |
|||
Sm |
m3: 75 |
7.38 |
Dy |
m3: 78 |
0.06 |
|
||
m2: 73.5 |
14.99 |
m2: 81.5 |
24.90 |
この補正は、定量分析にのみ適用されます。半定量分析やその他の分析モードには適用されません。