シングルパーティクルメソッド編集ペイン(オプション)

オプションのシングル ナノパーティクル アプリケーションを利用してサンプルを解析する場合に表示されるシングルパーティクルメソッド編集ペインで利用できるコマンドの機能について説明します。

このペインには、バッチテーブルで選択されているサンプルのシグナル分布チャートと、シングルパーティクル分析の各パラメータを表示/変更できるメソッドエディタが表示されます。

詳しい操作方法については、「シングルパーティクルメソッド編集ペインの操作」を参照してください。

SPMEpane.png 

タイトルバー

タイトルバーのボタンとコンテキストメニューの機能は、機器ステータスペインタイトルバーと同様です。

シングルパーティクルメソッドツールバー

SPMTool.png 

MoveBar.png ドラッグすると、ツールバーを移動できます。

PreviousSample.png 前のサンプルのグラフを表示します。

NextSample.png 次のサンプルのグラフを表示します。

SignalDistributionIcon.png シグナル分布チャートの表示/非表示を切り替えます。

SPMethodEditorIcon.png メソッドエディタの表示/非表示を切り替えます。

ズーム(シングルパーティクルメソッド)ツールバー

ズームツールバーは、スペクトルペインのズームツールバーと同様です。

ツール(シングルパーティクルメソッド)ツールバー

SPMTool2.png 

PDthresholdIcon.png このボタンをオンにすると、現在選択しているスレッショルドを示す縦線が別の色で表示されます。

SpecifyRangeModeIcon.png [指定したパーティクル検出範囲で解析] をオンにした場合に表示されます。このボタンをオンにすると、シグナル分布チャートでパーティクル検出範囲をドラッグして範囲指定ができます。選択した範囲は、シグナル分布チャート上に紫色の四角形で表示されます。

WeightedBinSize.png オンの場合大きいシグナルほど広い階級幅が使われます。オフの場合、階級幅は1カウントに相当するCPSに固定されます。手動で閾値を設定するときに便利です。

ApplyBLicon.png パーティクルベースラインに [手動で入力] を選択しているサンプルを選択した場合に表示されます。クリックすると、現在選択しているサンプルのパーティクルベースラインをすべてのサンプルに適用します。
ただし、検量線カテゴリのサンプルタイプ(IonicBlk、IonicStd (AN)、およびIonicStd (RM))では利用できません。

シグナル分布チャート

バッチテーブルで選択されているサンプルの生データから算出されたシグナル分布チャートが表示されます。

コンテキストメニュー

本ペイン上で右クリックしたときに表示されるコンテキストメニューで実行できるコマンドについて説明します。下記以外のコマンドは、ツールバーまたはリボンのコマンドと同じ機能ですので、該当するコマンドをご覧ください。

[チャートデータをCSV形式で一覧表示]

「正規化頻度 対 パーティクル径」のデータをCSVファイルに出力して、表示します。

[全てのサンプルにパーティクル検出閾値を適用]

現在選択しているサンプルの [パーティクル径分布] カテゴリのパラメータをすべてのサンプルに適用します。
ただし、検量線カテゴリのサンプルタイプ(IonicBlk、IonicStd (AN)、IonicStd (RM)、および RM)では利用できません。
また、[2元素(2同位体)分析] モードで測定した場合は利用できません。

[コピー]

選択中のデータをクリップボードにコピーします。グラフィック系のペインを選択している場合は、画像がコピーされます。

[ページ設定]

[ページ設定] ダイアログボックスが表示され、印刷時のページ設定をします。

[印刷]

[印刷] ダイアログボックスが表示され、選択中のペインの内容を印刷します。

[印刷プレビュー]

[印刷プレビュー] ダイアログボックスが表示され、印刷プレビューが表示されます。

[グラフィックのエクスポート]

[グラフィックのエクスポート] ダイアログボックスが表示され、画像データをエクスポートします。グラフィックを含むペインを選択している場合に動作します。

メソッドエディタ

シングルパーティクル分析の各パラメータを表示/変更できます。

ピークレスポンス計算

ピークインテグレーションモード

積分時間がパーティクルイベント持続時間よりも短い時に、パーティクルイベント(ピーク)に対する総信号を積分するため、いくつかの隣接する積分時間の信号を合計します。これは、0.1 または 0.2 ms の積分時間で有効になりますが、それより長い積分時間では有効になりません。

パーティクルベースライン

パーティクルベースラインを [自動]、または [手動で入力] から選択します。「自動」の場合は、自動的にベースラインが計算されます。 「手動で入力」の場合は、テキストボックスにベースライン(CPS)を入力して、各サンプルに指定できます。

また、ツールバーの ApplyBLicon.png アイコンをクリックすると、タイムスキャンパネルでベースラインをグラフィカルに表示できます。

ただし、検量線カテゴリのサンプルタイプ(IonicBlk、IonicStd (AN)、およびIonicStd (RM))では利用できません。

パーティクル径分布

指定したパーティクル検出範囲で解析

メソッドパネルで粒子として扱われるシグナルの範囲を指定できます。デフォルトはオフです。

オフの場合は、[パーティクル検出閾値] で [自動] または [手動で入力] を選択できます。

オンの場合は、[パーティクルの検出範囲] にシグナルの範囲を入力するか、ツールバーの [計算範囲指定モード] アイコンをオンにして、シグナル分布チャートでグラフィカルに指定できます。

この範囲も同様にレポートされます。この項目がオフの場合は、その値は、「N/A」と表示されます。

パーティクル検出閾値

ノイズやイオンから粒子を区別する下限値です。

[指定したパーティクル検出範囲で解析] がオフの時に表示され、[自動] または [手動で入力] を選択できます。[自動] を選択すると、パーティクル検出閾値を自動計算します。[手動で入力] を選択すると、パーティクル検出閾値を手動で入力できます。

パーティクル検出範囲

ノイズやイオンからパーティクルを区別する範囲です。

[指定したパーティクル検出範囲で解析] がオンの時に表示され、パーティクル検出範囲を入力します。

機器設定

サンプル流量

本装置に注入するサンプル流量をml/minで表します。

デフォルト値は、測定パラメータから算出されます。メソッドウィザードでバッチを作成した場合は、メソッドウィザード中に入力したサンプル送液用チューブの内径から算出されます。必要に応じて、[Agilent ICP-MS 流量・希釈係数カリキュレータ] ダイアログボックスで計算して入力することもできます。

噴霧効率

噴霧効率の指定方法を、[RMの濃度から算出]、[RMのサイズから算出]、または [手動で入力] から選択します。[手動で入力] を選択した場合は、テキストボックスに噴霧効率を入力します。

レスポンス係数用キャリブレーション溶液

XXX amuでのレスポンス

測定する粒子を構成する元素の標準溶液のレスポンスです。[レスポンス係数のキャリブレーション] ダイアログボックスで測定できます。

バッチに「IonicStd (AN)」のサンプルが含まれている場合は、データ解析はそのサンプルを用いてレスポンス係数を計算して、「標準溶液の濃度」にデータ解析メソッドとして設定します。

「IonicStd (AN)」がサンプルより先に測定した場合は、「IonicStd (AN)」からレスポンス係数を計算してサンプルに使用されます。そして、データ解析メソッドには、そのレスポンス係数が設定されます。

それ以外の場合は、ここで設定した値が単分子解析に使用されます。

「IonicBlk」が「IonicStd (AN)」より先に測定された場合は、レスポンス係数 (RF) は次のように計算されます。

RF=(平均CPSIonicStd (AN)-平均CPSIonicBlk)/設定した標準溶液の濃度

RFは、ブランクを通る2点の検量線の傾きであることを意味します。

標準溶液の濃度

レスポンス係数をバッチ内で測定する場合に、標準溶液の濃度を入力します。デフォルト値は1ppbです。

リファレンスマテリアル

リファレンス元素の質量数

リファレンスマテリアル中のリファレンス元素の質量数が表示されます。

リファレンス元素のレスポンス係数

この項目は、[噴霧効率] で [RMのサイズから算出] を選択したときのみ表示されます。

サイズに基づいた噴霧効率 eq_hn.PNG は、次のように計算されます。

eq_NebulizationEfficiency.PNG 

ここで、eq_dstd.PNG は標準パーティクル径(nm)、eq_rstd.PNG はRMサンプルの元素密度(g/ml)、sはレスポンス係数(cps/ppb)、eq_td.PNG は積分時間(sec)、Vはサンプル流量(ml/min)、eq_fd.png はパーティクルのモル質量/分析対象物のモル質量、そして、eq_Ip.png はRMサンプルのピーク強度(CPS)です。

 

[リファレンス元素のレスポンス係数] が空白の場合は、バッチ処理時に、レスポンス係数が [リファレンス元素のレスポンス係数] にも適用されます。サンプル粒子の測定元素とRMの測定元素が異なる場合、手動でリファレンス元素のレスポンス係数を入力する必要があります。この場合は、測定の前にチューン画面でリファレンス元素のレスポンス係数を求めておき、データ測定中または測定後に、データ解析画面の「リファレンス元素のレスポンス係数」欄に得られた値を入力します。

 

リファレンス元素用標準溶液の濃度

IonicStd(RM)は、リファレンス元素のレスポンス係数のキャリブレーション用標準サンプルのサンプルタイプです。サンプルタイプにIonicStd(RM)を指定すると、[リファレンス元素のレスポンス係数] を更新することができます。

[リファレンス元素のレスポンス係数] が空白の場合、測定元素のレスポンス係数と同じ値で更新されます。

[リファレンス元素のレスポンス係数] eq_Srm.png は、次のように計算されます。

eq_ReferenceElementResponseFactor.PNG 

ここで、eq_Iion_rm.png はIonicStd (RM) サンプルのシグナルの平均、eq_Iblk.png はIonicBlk サンプルのシグナルの平均、eq_Cion_rm.png はIonicStd (RM) サンプルの濃度です。

 

MassHunter 4.4までは、IonicStd (RM)とIonicBlkのRMS(ベースライン)を利用して計算していましたが、MassHunter 4.5からは、シグナルの平均を用いています。 旧バージョンでのIonicStd (RM)/IonicBlkのイオン濃度は、新バージョンでの再処理によって、異なる値になります。

 

噴霧効率の計算モードにかかわらず、[リファレンス元素のレスポンス係数] と [リファレンス元素用標準溶液の濃度] に入力できます。

また、測定元素とリファレンス元素が同じ場合は、測定元素のレスポンス係数とリファレンス元素用標準溶液の濃度には、同じ値を入力します。

リファレンス元素のモル質量比

この項目は、[噴霧効率] で [RM のサイズから算出] を選択したときのみ表示されます。

サイズに基づく噴霧効率の計算に使用します。

リファレンスマテリアルの平均粒径

懸濁液中のリファレンス粒子の平均粒径です。

リファレンスマテリアルの密度

リファレンス元素の密度です。この値は、元素組成に依存します。たとえば、Au = 19.30 g/ml、Ag = 10.49 g/ml、 SiO2 =2.634 g/ml、TiO2 = 4.23 g/ml、ZnO = 5.606 g/mlです。

リファレンスマテリアルの濃度

懸濁液中のリファレンス粒子の濃度です。

未知サンプル

測定元素の質量数

未知サンプル中の測定元素の質量数が表示されます。

測定元素のモル質量比

粒子物質のモル質量と測定元素のモル質量の比です。

パーティクルの密度

未知サンプル中の粒子の密度です。

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